2月4週目、「三部作」もいよいよ佳境を迎え、連日の稽古で、 テレビなど見る時間もありませんでした。ネットニュースでコロナの状況をチェックしながら、相変わらず、 家と稽古場の往復をしていました。コロナの事が深刻になり始め、毎日、出来るかな。。。 中止かな。。。 出来る? やろう! など、頭の中で色んな思いがぐるぐると回っていました。他の団体の公演の中止、開催などの情報も気にしながら、 最終的にはやるしかない!という思考に行きつき、稽古、 準備に励んでおりました。
そして、忘れもしない2月26日です。
午前中、ホールに電話を入れ、コロナで公演ができるかどうか? 会館での他の催しがどうなってるかを尋ねました。
やはりホールは、「財団のものはやっていますので、 やるという事でいきましょう!」とお話頂き、何とかなるかな・・・と思いながら稽古へ出かける準備をしていました 。
ちょうど家を出る直前、お昼すぎに、童謡コーラス事務所の代表、 うえたく先生から電話がかかってきました。童謡コーラスさんには、稽古場を提供頂き、また宣伝、広報、 チケット販売にも多大にご協力を頂いていました。オペラを主催するにあたり、 大掛かりなイベントをするにあたって、色々相談にのって頂き、 沢山のアドヴァイスも頂いていました。
「さっきの安倍総理の会見、見た? 三部作、公演が出来なくなる可能性もでてくると思うから、 そのつもりで動き始めた方がいいよ。今すぐに、ホールとオーケストラに連絡をして、先の予定、 空いている日にちを聞いておいた方がいい。」 との連絡を頂きました。
その電話で安倍総理の会見を知りました。 全国のイベントの自粛要請です。
この翌日には、全国の学校の一斉休校が発表されました。
すぐに、ホールとオーケストラのマネージャーに電話を入れ、3/7の中止、 延期の可能性がでてきてるので、4月以降で空いている日にち、 公演ができる可能性がある日にちを挙げて頂くようにお願いをしま した。それぞれメールで連絡を下さることになり、 稽古に出かけました。
稽古に行く途中には、出演者の江原さんからも連絡を頂きました。
今、東京でお仕事、収録を終え、これから新幹線に乗るんだけど、 今日の稽古あるよね?
と、やはりお昼の安倍総理の会見を受け、 心配されて連絡を下さいました。
もう、皆さん稽古場に向かっている時間だし、 今日はやるという事で進めてます。
今後の方針、また相談させて下さいとお伝えすると、
「分かった!とりあえず行くわ!」とおっしゃられ、 大阪に向かって下さいました。
色々思う中で、お昼の稽古が終わりました。
夜の稽古が始まるまでの休憩時間、 ちょうどその時にホールから電話が入りました。
お昼以降、安倍総理大臣の会見以降、「オペラはあるのか?」「延期をしてほしい」 との問い合わせ、要望の電話が相次ぎ、 対応に追われているとのこと。
この状況をみて、延期するようにして下さいというお願いの連絡でした。会館も朝話していた時と全く違う様子でした。安倍総理の会見後、色んな流れが一気に変わったように思います。
また、稽古に来ているメンバーの一人に、 関西歌劇団所属の歌い手さんがいました。3月1日に「関西歌劇団70周年記念コンサート」という、 団をあげての大きなコンサートが控えていましたが、さっき中止、 延期に決まったと話してくれました。
稽古後に、関係者、主要メンバーに集まって頂くことにして、 夜の稽古が始まりました。
夜の稽古から参加予定だった江原さんも加わり、「ジャンニ・ スキッキ」の稽古が始まりました。
「ジャンニ・スキッキ」は、私の出番が少なく、 皆の稽古を沢山見る事が出来ます。
皆のパフォーマンスが素晴らしく、楽しくて、面白くて、 感動して、コロナの事も忘れる時間でした。
あっという間に夜の稽古も終わり、スタッフさんから「 明日の稽古場もここです!」とアナウンスがあり、「また明日!」 と皆と別れました。