2020年4月27日月曜日

テノールの二塚さん、早すぎます・・・

先週、信じられない連絡が入りました。
今まで何度も共演してきたテノールの二塚直紀さんが亡くなったと。

コンサートでもオペラでも共演させて頂きました。特に長い時間、一緒に稽古をして本番を迎えるオペラのことは心に残っています。「椿姫」も「トスカ」も「コジ・ファン・トウッテ」も「アイーダ」も相手役をしてくれました。今思い返しても、パワフルで、ボリュームがあり、艶やかな素晴らしい声。音楽に向き合う真っすぐな姿勢が思い出されます。

演出家の岩田さんが発起人となり、二塚さんへのメッセージや写真をSNS上で取りまとめて下さることになりました。そして、お葬式もライブ配信して下さる事に。お取り計らい下さった関係者の皆様のおかげで、自宅からですが、お別れをすることができました。

残された奥様の立派なご挨拶、お二人の小さなお子様の姿は、涙なしに見ることができませんでした。そして画面越しに聴かせて頂いた録音の歌声は、やはり素晴らしい歌声でした。

まだまだ一緒に歌いたかった… まだまだ素晴らしい歌声を聴かせて頂きたかった…
残念でなりません。

以前、ブログにも上げていた「椿姫」の動画、アルフレード役は二塚さんです。映像の中の彼を見ていると、亡くなったことが嘘のように思えます。

心からご冥福をお祈りします。




たくさんの舞台でご一緒させて頂きました。本当にありがとう。





2020年4月24日金曜日

リモート演奏にチャレンジ!

コロナで引きこもり中。。。

遠隔演奏、リモート演奏にチャレンジ!

アイフォンのアプリで、別撮りした動画を合わせ、パソコンで動画を編集します。それぞれの自宅で演奏したものを合わせます。

どれもこれも初めてのことで、色々試行錯誤しながら、まず一人で色々実験をしてみて、何とか出来そう!となり、大学の先輩でハープをされている先輩と「埴生の宿」を演奏してみました。ハープによく合う曲です。

それぞれの自宅で演奏した録画データーをお互いに送り合いました。動画制作作業、慣れないことで大変ではありましたが、やり始めるとなかなか楽しい作業でした。

動画編集、まだまだ初心者ですが。。。。
記念すべき第1作ご覧ください!


続編をアップできるよう頑張ります!



2020年4月17日金曜日

クルーズ旅行 その4 2日目② in シンガポール

ガーデン・バイ・ザ・ベイに到着。象徴的なスーパーツリーが目の前に迫ります。
入り口を入ってすぐに、植物園全体を周るシャトルバスがあり、早速乗ることに。
2つのドームには、後から入って見学することにして、超巨大植物園の外、全体を歩くには、暑すぎる・・・広すぎる・・・という事でバスの乗って大正解でした。




巨大ツリーを下から見上げると、なかなかの迫力です。




一番印象に残ったオブジェ
巨大赤ちゃん?!が浮いています。








植物園全体をバスで周った後に、2つのドームに入ることに。最初にフラワードームから。色鮮やかな花がいっぱいです!ドーム内は涼しくて快適です。








広いドーム内、透明の天井からの日差しはまぶしかったです。南国の植物園らしくカラフルな花が沢山でした。



花の間のあちこちに、人形やオブジェが沢山ありました。子供も楽しめます。














もう一つのドーム、クラウド・フォレスへ。雲の中の森と言ったドームは入り口にある天井近くまである緑の山からの滝が迎えてくれます。エレベーターでこの山の上まで昇り、宙に張り出した空中回廊を歩きながら降りてくるのは、結構スリルがありました。水のしぶきも飛んできて、熱帯雨林を歩いてる気分です。




二つのドームを見終え、外に出ると、お昼近くになっていました。一番暑い時間でしたが2本の巨大ツリーをつなぐ吊り橋?、空中遊歩道に行ってから植物園を後にしました。
暑かったですが、見晴らしは最高で、海にはこれから乗るクルーズ船も見えました!



天気が良くて、真っ青な空に白い雲がくっきりと浮かんでいます。
空に一層近い吊り橋、暑そうですが、ここまで来たので昇ります!




昇ってみるとこんな感じ。人一人通れるくらいの吊り橋、景色は最高でした。

2020年4月14日火曜日

クルーズ旅行 その3 2日目①inシンガポール

2日目①

飛行機が到着する少し前、機内食、朝食が出てきて目が覚めました。
朝食を頂いたら間もなくして、シンガポール、チャンギ国際空港に到着しました。
朝の5時頃、早朝に到着しました。
チャンギ国際空港、降りたらすでに南国です


乗船までの時間、シンガポールを観光する予定でした。
定番のマーライオンと、ガーデン・バイ・ザ・ベイ(植物園)の二つを訪ねてから、乗船しようという計画です。
空港で夏モノの服に着替え、両替をしてから、まずトランク、大きな荷物を預けに乗船場に向かいました。空港を出ると、ムワーっとして、常夏の国に来た!と実感、でもタクシーに乗ったらガンガンにクーラーが効いていて、温度調整がなかなか大変です。

乗船場に到着しても、朝早すぎて、荷物の預かり所もまだ閉まっていました。
ちょうど雨も降ってきて、荷物の預かり所が開くころまで、乗船場で雨宿りをしました。
しばらくして、荷物を預け、マーライオンパークへ出発です。
クルーズ船に乗るチエックインカウンター、早朝でお客さんは誰もいません。
午後、乗船する時にはものすごい行列でした。


広場に到着した頃には、雨も止んでいて、無事マーライオンと会えました!朝、早い時間でしたが、すでに沢山の観光客で、ベストショットの写真を撮るのもなかなか大変でした。マーライオンの後ろには一回り小さい小ライオンもありましたが、こちらはほとんどの人が素通りです。こちらはこちらで可愛いかったですが・・・  
このベイエリアの公園は、マーライオン像以外に何かがある訳ではないのですが。。。 シンガポールといえば、マーライオンという定番、外すわけにもいかず、最初に訪ねました。写真を一通り撮り、植物園、ガーデン・バイ・ザ・ベイに向かいました。

シンガポールの街中では、基本的に流しのタクシーを拾うという事が出来ません。駐車禁止が徹底していて、タクシー乗り場でしか乗車することができないのです。法律が厳しく、路駐もありません。
タクシーを降りた場所、マーライオン公園のタクシー乗り場に戻ればいいだけなのに、なぜか戻れず・・・ ウロウロしてしまいました。一度、地下に入って、地上に出る?といった感じがよく分からず、ずいぶんウロウロしてしまいました。ジワジワと暑くなってきましたが、何とかタクシー乗り場に到着し、ガーデン・バイ・ザ・ベイに出発です。


マーライオン!


                         


マーライオンの後ろの小ライオン


2020年4月12日日曜日

クルーズ旅行その2 シンガポール発 ロイヤルカリビアン ボイジャー・オブ・ザ・シーズ クルーズ旅行 1日目

シンガポール発 ロイヤルカリビアンのボイジャー・オブ・ザ・シーズで行く
クルーズ旅行、5泊6日 の旅行記です。

1日目 
関空からシンガポールへ

関空を夜出発するシンガポール航空の飛行機に乗りました。午前中に出発する飛行機と違い、ゆっくり出かけられてなかなか良いです。
約7時間の飛行時間です。シンガポールには翌日の朝に到着します。
朝から観光に出かける予定だったので、見たい映画もありましたが....
翌日に備えて寝ることにしました。
シンガポールは、時差1時間程度で、時差ボケもなく楽ですが、問題は暑さです。。。
体力温存です。寝よう!

私は、ずいぶん昔に一度だけシンガポールに行ったことがありました。
行ったと言っても、飛行機の乗り換えです。
若い時に、格安航空券でヨーロッパに行き、乗り換えでシンガポールに行きました。
格安航空券ということもあり、かなーり長い乗り継ぎ時間でした。チャンギ国際空港は世界の一大ハブ空港で、そういう長い乗り継ぎ時間がある人達のために、空港から無料の観光バスが出ているのです。そのバスで、シンガポールの町を観光したことがありました。乗り換え時間を有意義に過ごせて楽しかった記憶があります。

今回、旅行に行くにあたり調べたところ、今でもそういうバスはあるようですし、また空港(チャンギ国際空港)自体がアミューズメントパークのようになっていて、滝が流れる植物園が併設されてたり、ますますパワーアップしていました。今回は、空港の植物園に行く時間はないですが・・・ 
南国の一大植物園、「ガーデン・バイ・ザ・ベイ」には行く予定です。
ガイドブックを見て準備。
植物園内の空中遊歩道(歩いている人が小さく写っています) も歩いてみよう!

2020年4月9日木曜日

クルーズ旅行 その1

コロナ騒動の中で報道されていたクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセスの事をを見るたび、とても心配で気になっていました。コロナのせいで、倒産する船会社も出始めてると聞いています。クルーズが悪いわけでもなく、早くコロナが収束して、またクルーズ旅行に行けるような平和な日になればと思っています。

昨年の10月、クルーズ旅行に行ってきました!本当に楽しかったです。クルーズ万歳です!ゆっくり旅行の事を書く間もありませんでしたが、自粛、ひきこもり生活につき時間がある今、ゆっくり、楽しく振り返ってみようと思います。

ここ数年、クルーズブームという事もあり、クルーズの特集番組や、ジャパネットでもクルーズ旅行を販売をしているテレビを見ては、行ってみたい!と思っていました。

主人が永年勤続で旅行券を頂けることに!会社からのご褒美という事で大きな顔をして仕事を休める、らしい…ということで、せっかくだし海外に行こうよ!そしてクルーズに行こうよ!とクルーズ船のパンフレットを集めてきました。主人もパンフレットを見て、楽しそうだなあと賛成してくれました。洗脳ではありません・・・(笑)

パンフレットを見ながら、行きたいコースを決めつつ、主人と私のスケジュールを合わそうとしましたが、なかなか合う日がないのです。
旅行券には有効期限がありますし、主人がどうしても休めない日があり、私も決まっている本番があったりで・・・

また色々調べていくうちに、乗りたい船も行き先も絞られてきました。エンターテイメントが充実した「ロイヤルカリビアン」というアメリカの船会社の船です。ロイヤルカリビアンの船に乗る日本からの発着ツアーは、どうしてもスケジュールが合いませんでした。
日本からの出発日、催行日がひと月に2,3コースほどしかないのです。シンガポール発着の船に乗るツアーを見ていたのですが、シンガポールまでの飛行機、シンガポールのホテル、そして船がセットになっているものでした。

そうだ!自分でそれぞれを予約したら、もっと選択肢が広がるんじゃないか!?と思い、調べてみると、やはりそうでした。乗りたい船の出航日が沢山あり、スケジュールに合わせて、それぞれを予約しました。ネットで世界中のものを何でも予約できてしまうのです!

ロイヤルカリビアンの「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」という船に乗って、シンガポール発着、マレーシア、プーケットへのクルーズ旅行です!

10月の下旬に行って来たのですが、偶然にも結婚記念日に日本を出発して、結婚記念日の翌日が誕生日の私は、船の上で誕生日を迎えることができました!
感謝~ ありがとう!!!

タイタニックの4倍、船内には劇場やアイススケートリンクまであるボイジャー・オブ・ザ・シーズ!
届いた説明書には、乗船から下船までの注意点などが詳しく書いています。初めてのクルーズに心躍ります~




2020年4月6日月曜日

命あってこその音楽、文化

長い時間をかけて準備をしてきたオペラ「三部作」が、コロナのために中止せざるおえなくなった事を、順に書き綴りました。中止して、本当に良かったですし、後悔も全くありません。刻々と変わっていく状況の中で、その時、その時に出来る、精一杯のことをして取り組んできました。

音楽家として、主催者として、コロナ騒動の渦中、色んな事を考え、思い、感じました。それを書き、発信するのも、今、音楽家の私に出来ることの一つだと思い、順にブログに書きました。
また、今回の公演を楽しみにしてくれていた皆様へ、今回の公演を支えて下さった皆様へ、ご報告する責任もあると思いました。

そして、まず収束を待つしかないのですが、沢山のオペラやコンサートが次々に中止、延期になり、これからのクラシック業界がどうなるのか、音楽家は皆、心配し、苦しんでいます。そんな音楽家の一人として、歌い手の一人として、今回の状況を書いてみました。

 
コロナの状況は深刻になる一方で、ヨーロッパ、そしてアメリカの様子をテレビで見るたび、胸が痛み怖くなります。特に留学していたニューヨークのマンハッタンが、見たことのないような景色になっていて、恐ろしくなります。
賑やかで、人が沢山いていて、歩くのも大変なブロードウェイに、不気味なくらいに人がいません。緑でいっぱいのセントラルパークに、白いテントの病院ができて…
世界一の街が、こんな風になるんだと、恐怖に襲われます。
日本も時間の問題かと思うのです。

命あってこその音楽です、文化です。
命あってこそ歌が歌えるのです。命ある人に聴いて頂けるのです。命あってこそ音楽に触れられることができるのです。

一日も早い収束を願うばかりです。
また一緒に歌う日のために、また私達の歌を聴いて頂ける日のために、また皆様とお会いできる日のために、皆様がコロナに負けないことを心から願います。



2020年4月3日金曜日

コロナが目の前に

歌うはずだった3月7日の公演日も過ぎ、残務に追われておりました。
今思うと、コロナもまだまだ序の口といった時期でした。

私は、「三部作」が終わって、翌週から4月上旬のオペラ「愛の妙薬」の稽古に入る予定でした。公演があるかどうか気になりながら、楽譜を広げて自分で思い出し稽古をしていましたが、そんな中、やはり公演中止、延期の連絡が入りました。
この頃、ほとんどの公演が、どんどん中止や延期という状態だったので、連絡を頂いた時は、やっぱり・・・という感じでした。スケジュール調査があり、延期日を決めていくとの事でした。

4月のオペラも無くなって、途方に暮れていた所、「三部作」の出演者の一人から電話がかかってきました。「コロナで陽性反応がでた」と・・・衝撃でした。
その方は最後の日の稽古に参加されていました。電話を頂いた日が、その稽古から、ちょうど2週間経った日だったのですが、「保健所で色々聞かれ、オペラの稽古というのが、飛沫感染する可能性が高いので、調査するという事で、代表者の平野さんに保健所から連絡がいきます。」との事でした。
その方は、一度帰宅して、入院する、隔離・・・という状況も聞き、それまで、どこか他人事だったコロナが、一気に目の前に迫ってきたように感じました。

その後、保健所から電話がかかってきました。
「ちょうど2週間経ってるので、皆さん、大丈夫なら問題ないのですが… 2週間の間に発熱や喉の痛みのある方がいるか調査、報告してほしい」との話がありました。

その日に稽古に参加していた人の名前を書き出しました。無事である事を祈るような思いで、 22人の参加者に、順に連絡を取り、健康状態を確認しました。全員、この2週間、健康に問題なく元気でした。本当に本当に良かったです。

そして、公演を中止にして良かったと、心底思いました。あのまま続けていたら、稽古場がクラスターとなり、舞台が感染源になっていたかもしれないと…想像するだけでも恐ろしい思いでした。

2週間経ったら大丈夫と言われても、コロナという得体の知れないウイルス、万が一自分に症状が出ていないだけで、感染しているかもと思うと、それからしばらく、人と会う事も避けていました。

保健所から電話がかかってきたり、身近な人がコロナに感染したり、他の誰かにうつってるかもしれないと心配したり、色んな事が起こり、さすがに参りました。。。



外国で猫にもコロナが発症したと・・・
ノンタンはコロナに負けず元気です!
この春14歳になりました。

2020年4月2日木曜日

「三部作」延期公演

3/7、「三部作」がコロナのために上演出来なくなり、延期、振替公演の日にちを早急に決めなければいけませんでした。会館からは、チケットの払い戻しや他諸々の手続きの都合上、元々の公演日3/7の前、3/5までに振替日を決めて下さいといわれていました。
中止を決めてから1週間しかありませんでした。

オペラは、本当に沢山の人が関わって、出来上がる催しです。会場、オーケストラ、出演者、照明、舞台、衣装、ヘア・メイク、また3作品の上演ということで、出演者の人数もかなりの人数です。各部署、スタッフのスケジュールを合わせていかなければいけません。

先に、会場とオーケストラに半年先頃までの空き日を尋ねていたこともあり、まず候補に上がったのが8月、お盆の週末でした。この日に関しては、交通機関の大変な混雑の時期で、お客様に迷惑がかかり良くないだろうという意見も上がりました。
また、この頃までにコロナが収束しているか分からない、オリンピックもどうなるか分からないし、延期を決めて、また延期となるリスクがあるという意見も出ました。
そんなやり取りをしているうちに、主要キャストのお一人のスケジュールがダメだという連絡もあり、8月という選択肢は無くなりました。

スケジュール調整をしながら、今回かかった経費、損害も具体的に試算し始めました。関わって下さってる方々へ、最低限の謝礼の必要もあります。すでに出費しているお金も沢山ありました。出来上がっている大道具も保管場所の問題があったりと…、明らかに延期公演とは別にかかってしまう経費をざっと計算するだけでも何百万にもなりました。

途方に暮れてる中、今回、協賛金集めで多大なご協力を頂いたONC(大阪灘クラブ)から激励を頂きました。何より強力なサポートに励まされ、とにかく延期日を決めようと進めました。

9月、10月・・と順に進めていっても、なかなかスケジュールが揃うところはありませんでしたが…

調整に調整を重ね、来年2011年4月11日(日)に決まりました。

来年、2021年4月11日(日)
オペラ「三部作」池田アゼリアホール

ぜひぜひ、ご予定をお願い致します。


陶器でできた素敵なティッシュケースを頂きました。
立方体の各面に、公演日、3作品のタイトル、そして私が歌う役名を
入れて下さってました。感激で涙がでました。ありがとうございます。




2020年4月1日水曜日

主催者としての責任

2/26、21:00まで稽古をした後、スタッフ、主要キャストで集まり、コロナの事で3/7の公演をどうするか、という相談が始まりました。

私自身も、もう、延期かなあ・・・という思いで皆さんのご意見をうかがいました。

誰からも、何としてもやろう、やってしまおう、といった声はありませんでした。
逆に、ここで強行してすると、苦情や嫌がらせがくる可能性があるといった声や、万が一、何か起こった場合、どんなにいい内容の公演をしたとしても、そのことに一切触れられることはないまま、やったことを責められ続けることになる。

また、オペラのお客様はご高齢の方が多いです。もし、どなたかが亡くなったりしたら、取り返しがつかない事態になる、後悔しきれないことになるといった声も上がり、3/7は中止という決定に至りました。

同時に、このままやめてしまおうという声はなく、ここまで出来上がっているんだから、ぜひやろうという皆の気持ちも一緒で、延期することに決定しました。本番間近にして、皆の気持ちも一つにまとまり、私自身もこの日の稽古で、皆がより一段と前進した状態を実感していました。

あっという間に時間が過ぎ、話し合いの後、関係者への連絡に追われました。
「また明日!」と別れた出演者全員に、公演の中止、延期のお知らせ、また明日以降の稽古はありませんと一斉メールで連絡を入れたのは夜中でした。
皆に直接、報告、お礼、挨拶も出来なかったことが心残りではありましたが、感傷に浸る間もなく、対応に追われました。

翌日、私自身も個人でチケットを買って頂いていたお客様に連絡を入れました。皆さん、少し前からどうなるのかと気にして下さっていた方も多く、中止と聞いて残念に思いながらも、延期で公演をするという事に喜んで下さいました。
直接お客様と連絡をとっていると、やはり公演はお客様、そして演者、パフォーマンスする人、主催者も、全員が心も身体も健康な状態で開催されなければいけないなあという思いが、より一層強まりました。

何のために歌うのか、誰のために歌うのか、何を目的とした公演なのか、常々考える事はあるのですが、ここまで切実に、真剣に考えさせられたことはなかったように思います。
また、主催者という立場、責任ということを実感しました。

自分が「中止します」と決定したら、それまで当たり前のように行っていた稽古が無くなり、当然のように迎えていた本番も、本当にあっけなく無くなってしまうのです。私が「続行します」といえば、開催することになるのです。

何か起これば、出演者、関係者だけでなく、1000人のお客様、そしてそれぞれのご家族にも影響を及ぼします。そして、出演者、スタッフの築き上げてきた歴史にも傷をつけてしまいます。
主催者というのは、その責任を負う覚悟を持って、色々を判断し、進めていかなければならないということを改めて強く実感しました

アゼリアホールの写真です。どのお席からも舞台がよく見えます!