2017年2月28日火曜日

お稽古三昧

昼に「マノン・レスコー」のお稽古、夜に「ドン・カルロ」のお稽古という日が数日続くと、さすがに疲れます。写真の上段はそれぞれの楽譜の表紙ですが、結構分厚く、2冊を持ち歩くのも重たいです。

ただ、身体はしんどいのですが、お稽古の内容が充実しているので、稽古場に行くのも全く苦ではなく、毎回のお稽古が楽しみです。どちらも初役ではないですが、色んな興味深いお話が聞け、新しい発見があります。

これが逆の場合は本当にしんどくなる。身体は楽でも、精神的ストレスが溜まる現場のお稽古が続くと、ダメージが大きい。元気な身体までおかしくなり、そのうち声も出にくくなる。そういう時、まだまだ自分の修行が足りないな、と思うのですが… 人間力、精神力、まだまだ成長しなければいけません!

何はともあれ、「ドン・カルロ」、「マノン・レスコー」ともに、お稽古が毎日進んでいます。楽しみながら、自分の伸びしろを精一杯伸ばしていきたいと思います。


 

2017年2月27日月曜日

恩師の三回忌

私が歌を歌う事の楽しさ、厳しさ、素晴らしさ、全てを最初に教えてくれた先生の三回忌に行かせて頂きました。私の音楽の原点になった、中学の合唱部の顧問の先生、この先生がいなければ、私は、今、きっと歌っていません。音楽にひたすらに、真っ直ぐに向かう姿勢、取り組む事を先生に教えて頂きました。

もし先生にめぐり合わずに、他の事をしていたら、それはそれで、何か別の事に夢中になっていたかもしれませんが。

今、これだけ自分が打ち込める事、夢中になれる歌、音楽との出会いに導いて下さった先生には感謝しかありません。もっと先生に、今の私の歌、舞台を見て頂きたかったと心から思います。

親戚でもない私を、三回忌にも呼んで下さった先生の御両親、「真理子(先生の名前)からは、本当に平野さんの名前をよく聞いた。平野さんと話していると、真理子の事を近くに感じる。」と言って下さった。先生のお話を沢山させて頂きました。

先生が使っていたピアノの横の本棚の中から、楽譜や本を数冊頂きました。先生の教えと一緒に、大切にしていきたいと思います。


2017年2月25日土曜日

「マノンとの旅」三浦安浩著

今回の「マノン・レスコー」のチラシにも載っていますが、演出家、三浦先生が書かれた 「~マノンとの旅~ 」。とても素敵です。プッチーニ好きの私にはたまらなく心に響く文章です。ぜひお読み下さい!


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『マノンとの旅 ~オペラ「マノン・レスコー」への誘い

ミミ、蝶々さん、トスカ、リュー・・・ プッチーニの描く物語の中心は必ず女たちだ。彼女たちは可憐で愛らしく、しかし芯は強く、どこかミステリアス。そして、物語は必ず彼女たちの死で幕を閉じる。

そんなプッチーニのヒロインの中でも際立って強烈な魅力を放つのがマノン・レスコーだ。原作者アベ・プレヴォーの描いたマノンは「ファム・ファタール(運命の女)」つまり、男をだめにしてしまう悪女の元祖だともいわれる。

修道院におくられる途中のマノンに騎士デ・グリューは一目惚れする。可憐な少女を連れて騎士は逃避行を始め、まずはパリで慎ましい生活を始める。愛に満ちた幸せ・・・のはずだったが、デ・グリューはマノンが欲望に取りつかれた女性だということを知る。宝石、ドレス、豪奢な生活、そして数々の男性・・・ マノンは次第にデ・グリューの前で彼女の「娼婦性」を剥き出しにし始める。そんなマノンに愛想を突かしながらもはますます虜になってゆくデ・グリュー。ついに当時の流刑地であったアメリカに追放されるマノン。そして、見習い水兵に志願して彼女を追うデ・グリュー。

舞台が様々に移動してゆく映画を「ロード・ムービー」というが、プッチーニはフランスのアミアン、パリ、そしてル・アーブル港からアメリカへと逃避行を続ける二人をまるでカメラで追うかのように描写してゆく。

さて、リュミエール兄弟が映画第1作「工場の出口」を作ったのが1895年。映画という新たなるジャンルの娯楽はその後世界を席巻してゆくのだが、プッチーニが「マノン・レスコー」をトリノで初演したのは、それに2年も遡る1893年である。映画的な感性を先取りしているかのようなこのオペラの構成のダイナミズム!改めてプッチーニの天才に驚嘆する。

終幕、砂漠で力尽きるマノンを呆然と見つめるデ・グリュー。まさに「愛の地獄」なのであるが、しかしプッチーニの官能的な音楽の渦の中、欲望の赴くままに生き、燃え尽きて死んでゆく彼らの姿を目にするオペラ体験は、現代のせせこましい社会に生きる私たちに法悦ともいえる官能の極致を味あわせてくれる。

小空間風の丘で、「運命の女」とのめくるめく2時間の逃避行。あなたも是非いかがですか
演出家 三浦安浩  』



2017年2月24日金曜日

「ドン・カルロ」音楽稽古

「ドン・カルロ」の音楽稽古。今日はフィリッポ役の久保田さん、ロドリーゴ役の与那城さん、宗教裁判長役の小田川さんと私が参加。男性3人ともが低声部の方々、重厚感ある声が響きわたりました。皆様素晴らしい歌声です。

オペラで、これだけ低声部の役が出てくる作品は、あと「ドン・ジョヴァンニ」くらいしか思いつきません。

キャストを揃えるのが本当に大変な作品ですが、今回の「ドン・カルロ」、スターキャストが勢揃いしてます。当たり前ですが、本当に素晴らしいです。

もう一回音楽稽古があり、いよいよ立ち稽古に入ります!暗譜も佳境です…



 

2017年2月23日木曜日

ミレッラ・フレーニ

「ドン・カルロ」のお稽古も始まります!私は、ちょうど「カルメン」やインフルエンザと重なり、少し遅れてお稽古に合流させて頂きます。

今、プッチーニの「マノン・レスコー」とヴェルディの「ドン・カルロ」を同時に勉強させて頂いてます。オペラの二大作曲家と言える、お二方の作品です。同時に歌っていると、それぞれの作曲家の特徴、違いを今まで以上に強く感じます。

今回演じる、開放的、自由奔放に生きるマノンと、スペイン王妃という立場、自分の感情を内に内に抑え込む「ドン・カルロ」のエリザベッタ。この両者もあまりに正反対のキャラクターなので、余計に違いを感じるところも大きいと思います。

この二つの作品、今、私が常々聴いてる音源は、両役、ミレッラ・フレーニのもの。色々音源を聴いてますが、最終的に帰るところ?収まるところは私の場合、やっぱりフレーニが歌うマノンとエリザベッタです。お聴き下さい!


2017年2月22日水曜日

猫の日

今日は2月22日、猫の日だそうです。

最近のノンタンは床暖房、ホットカーペットの上で伸びまくっています。時々大丈夫かな?と思うような姿勢、お腹を上に向けて、足を伸ばして寝ています。
こんな感じです。

カメラを向けるとこちらを向いてくれました。しっかりカメラ目線です!


2017年2月21日火曜日

「マノン・レスコー」立ち稽古開始

「マノン・レスコー」の立ち稽古が始まりました。演出家、三浦安浩さんとは、今回初めてご一緒させて頂きます。よく、歌い手さんの間で、アンコーさん、と呼ばれてるのを聞いていて、三浦先生の演出の舞台にのってみたいと以前から思っていましたが、今回その機会を頂きました。

今日は「はじめまして。」のご挨拶から始まるお稽古、緊張の時間。最初に今回の演出プラン、三浦先生の「マノン・レスコー」という作品で表現したい事を、ユーモアを交じえてお話しして下さいました。三浦先生と一緒に、またマノンという女性と向き合えること、音楽監督・ピアニストの村上さんとプッチーニの音楽に向き合えること、共演者の皆様と「マノン・レスコー」という作品に一緒に取り組めることが、本当に楽しみになりました。大きなテーマは一言で「愛」に集約されますが、マノンという女性が、自分の求めるものへの愛にエネルギュに生きぬく様を歌いたいと思っています。

また、今回、本当にありがたい事に3回もの本番を歌わせて頂けます。先日終わったばかりの「カルメン」でも強く感じましたが、舞台は生物(ナマモノ)。本番でこその新しい発見、発展が今回の3回の本番でも生まれることがとても楽しみです!


こんな機会を頂いた、主催者、風の丘ホールの大澤さんに感謝して、「マノン・レスコー」立ち稽古に臨みます。



2017年2月20日月曜日

「カルメン」愛知公演終了

もう、一週間以上前になってしまいましたが、「カルメン」愛知公演、無事に終了致しました。チケットも完売とありがたい状況で、満席の会場で歌わせて頂き、本当に幸せでした。愛知、名古屋という事で、関西からも沢山の方々に聴きにいらして頂けました。本当にありがとうございました。

本番後、余韻も楽しめないまま、インフルエンザで寝込んでしまいましたが、今振り返り、今回の公演で良かったのは、東京で2回、愛知で1回、計3回の本番で歌わせて頂けた事です。やはり回を重ねる事に、余裕ができ、パフォーマンスにも幅が出る事を自分でも強く実感できました。昔、「100回の稽古より1回の本番!」という言葉を先生から聞いた記憶があります。それを強く感じました。

また、今回のカルメン役のミリーと共演でき、本当に色々お話しさせて頂きました。特に名古屋では、朝昼晩と出演者皆で食事をしたりする事もあり、より絆も深まります。ミリーとお部屋も隣で、お部屋に遊びに行かせて頂いたり、本番前日に、二人でマッサージに出かけたのもいい思い出です。

私は、「ミリー!ミリー!」と気軽に呼んでましたが、世界を飛び回ってる素晴らしいキャリアの歌い手さんです。慣れない日本にも関わらず、皆への気遣いもして下さり、そして底抜けに明るくて、常に周りをハッピーにしてくれる、独特のオーラのようなものが放たれてました。外人だから皆そうだろう、という事もなく、彼女の性格だと思います。本当に素敵な歌手で、本番が終わり、お別れするのが悲しかったですが…  彼女と約束したように、彼女が今住んでるオーストラリアに、いつか遊びに行きたいです!

名古屋公演は愛知県知事の大村知事が出演されました。サプライズ出演にお客様も喜んで下さったと思います。私は昔、「テレビタックル」という番組で、コントをされてた記憶があります。舞台裏で秘書さんが写真を撮って下さり、その写真、すぐにSNSにアップされてました。早い!!時代を実感!

「カルメン」、お稽古から本番まで、長いようで短かったような…  皆様から沢山の糧を頂いた公演になりました。ご来場下さった皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました。

2017年2月19日日曜日

インフルエンザ

名古屋のカルメンが無事終わり、その事も色々と書くつもりでしたが、まさかのインフルエンザにかかってしまい、ダウンしてました。

この一週間、隔離生活で…  「マノン・レスコー」、「ドン・カルロ」のお稽古ともに、お休みさせて頂き、ご迷惑をおかけしました。

どこで頂いてきたインフルエンザか分かりませんが?! 本当にしんどい一週間でした。本番後、気が抜け、疲れのせいで免疫力も落ちてたのだと思いますが、今思うと、カルメンの本番後で良かったと思います。この時期のオペラやコンサート、歌手がインフルエンザのため、降板、交代というお知らせを時々目にします。

今週からまたお稽古が続くので、体調管理に十分気をつけてまいりたいと思います。

今回、私が飲んだ薬はタミフルではなく、イナビルという薬。新しいインフルエンザの薬だそうで、吸引する薬です。一度、吸引するとインフルエンザに効く薬で、最近はこの薬も処方される事が多いそうです。私は処方箋を持って行った薬局で、薬剤師さんが説明して下さりながら、その場で吸引しました。皆さん、そうされてるそうです。薬も進化してますね。こんな薬にお世話にならないのが一番です!



2017年2月8日水曜日

名古屋入り

今週末の「カルメン」名古屋公演のため、愛知県立芸術劇場へ来ています。名古屋公演はオーケストラが変わるので、再びオーケストラ合わせをしました。

東京で本番も踏んだ後で、色んな事を楽しむ余裕が出来、歌わせて頂きました。一回、一回の本番が本当に大きな財産です。

劇場の最寄り駅、栄駅には、沢山ポスターが貼られていました。名古屋のお客様にも楽しんで頂けるよう頑張ります!


2017年2月7日火曜日

「マノン・レスコー」音楽稽古

まだ、カルメンの音楽がグルグル頭の中に回っていますが、今日は、マノン・レスコーの音楽稽古でした。

それにしても今日は寒かった。お稽古に向かうのですが、駅を降りて稽古場までは5分もかからないのですが、その5分がずっと向かい風で、目は痛いし、息ができないような強風でした。マノンが砂漠で、飲み水も無く死んでいく苦しみ、悲しみとはレベルが違いすぎますが。。。キツイ向かい風で、苦しかった。皆様、大丈夫でしたでしょうか?明後日は雪が降るかもと、天気予報です。

今日は、私、マノンと恋人デグリューさんとの二人のお稽古でした。デユエットを中心に見て頂きました。ピアノの村上さんの的確な御指導、本当に勉強になります。もっともっと村上さんのピアノにのっかり、可愛い、魅力的なマノンに近づきたいです。楽譜に書いてある、色んな事を見直し、歌わせて頂けるのは楽しい作業ですし、そんな機会を頂けてありがたい。

早く、暗譜し直さなければ。。。一から音楽も歌詞も覚えなくてはいけない初役より、ずっと楽ですが。。。それでも、 また暗譜に追われる日々が始まります。一旦覚えた私の記憶、一体どこへ行ってしまったの???

写真は、今日の稽古の私を、風の丘ホールの大澤さんが撮ってくれました。マノン、特訓中でございます。必死で楽譜にかぶりついていたので、いつ写真を撮られたのか、全く気付きませんでした…

2017年2月6日月曜日

「カルメン」東京公演終了

オペラ「カルメン」東京公演、2公演が終了致しました。ご来場下さった皆様、ありがとうございました。客席からの沢山の暖かい拍手、本当に嬉しかったです。

上野の東京文化会館で、素晴らしい共演者の皆様と舞台に立たせて頂き、心から感謝致します。

こちらのカルメン、今週末には名古屋へ引っ越し公演です。気を引き締め直し、頑張りたいと思います。

写真は東京初日終演後、舞台の上、緞帳の後ろです。下は、カルメン役のミリーさん、メルセデス役の米谷さんと一緒に、ミリーが自撮りしてくれた写真です!


 

2017年2月4日土曜日

「カルメン」初日終了

「カルメン」の初日が終了致しました。あと二回も本番の舞台に立たせて頂けます。オペラは、一、二回の公演で終わる事が多いので、本当に嬉しいことです。

明日はマチネ(昼公演)です。早く寝なければ…  明日もいい舞台になりますように!

写真は2幕フィナーレ、自由への大合唱です。台上、オレンジの服が私です。

 

2017年2月2日木曜日

「カルメン」いよいよ本番!

「カルメン」のゲネ・プロ、最終リハーサルも無事終了。

また、翌日にもう1組のゲネ・プロの見学に行き、照明の当たり方などを見ることができ、再度色々確認できました。

いよいよ明日は「カルメン」初日です。素晴らしい共演者、スタッフの皆様、またお運び下さるお客様、応援して下さる皆様に感謝して、舞台に立たせて頂きます。

こちらの写真は、クラシック音楽情報誌、ぶらあぼのwebページより頂戴致しました。黄色のスカートが私です。2幕の冒頭からの出番、しっかりはじけたいと思います。

2017年2月1日水曜日

「マノン・レスコー」始動

カルメンのお稽古の合間に、マノン・レスコーのお稽古が始まりました。初回のお稽古は、マノン役の私、マノンの恋人のデグリュー役の上本さん、マノンのお兄さん役の飯田さん、そして以前から存じ上げていた、素晴らしいピアニスト村上さんの4人で始まりました。

上本さんは、私が以前に京都の南座で蝶々夫人をした際、ピンカートン役で共演させて頂いてます。

飯田さんと村上さんは今回が初めましてになります。新しい出会いに感謝!素晴らしい皆さんとご一緒させて頂けること、一緒に作品に取り組めること、今からとても楽しみです。