その方から、ドイツの指揮者、フルトベングラー著の「音と言葉」という本を見せて頂きました。かなり年季の入った本で、もう何十年も前に買って読み込まれたものでした。
「オペラ物知り講座」にいらして下さった後、大指揮者著の「音と言葉」の本の事を思い出され、直し込んでいた本を取り出し、改めて読まれたそうです。
あの講座、原語で歌っていたものを、日本語で歌う事に大変苦労しました… お越し頂いた方に何か感じて頂けた事、問題提起できたことが、とても嬉しかったです。歌ったかいがありました~
ちょうどレッスンで、中田喜直作曲の「さくら横丁」を持ってきた生徒さんがいて… この「さくら横丁」全く同じ詩に、別宮貞夫作曲のものもあります。二曲、同じ詩と思えないくらい、曲調が違います。「音と言葉」ということ、改めて考えさせられます。
歌曲は詩がありきなところもあるので、ゲーテの詩「野ばら」にシューベルトとウェルナーの二人が作曲していたりと、同じ詩に違う曲がついたものが結構あります。
オペラの場合、同じ作品を取り上げても、台本作家が違うので、詩も変わってしまいますが… 原作が同じ作品で、違う作曲家が取り上げてる作品を比べるのもかなり興味深いことです。
昨年、歌わせて頂いたプッチーニの「マノン・レスコー」ですが、歌いたいと思ったのは、同じ原作のマスネ作曲の「マノン」を抜粋で歌わせて頂いたことがきっかけです。
今、取り組んでるベッリーニ作曲の「カプレーティとモンテッキ」、大雑把に言えば、グノー作曲の「ロミオとジュリエット」と同じ作品。ただ、これは元々、ギリシア神話から、シェークスピアとロマーノという二人の作家が作品を書いていて、シェークスピアが断然有名です。
8月に歌う「カプレーティとモンテッキ」は、ロマーノの台本ですが、グノーの「ロミオとジュリエット」も、じっくり聞いてみたいです。
プッチーニとレオンカバッロ、2人の作曲家が書いた「ラ・ボエーム」もあります。プッチーニの「ラ・ボエーム」のミミはソプラノですが、レオンカバッロのミミはメゾ、印象が全く違います。
「音と言葉」色々考えさせられます。
※ 写真は左から、プッチーニの「マノン・レスコー」、ベッリーニの「カプレーティとモンテッキ」、プッチーニの「ラ・ボエーム」の楽譜。それぞれの作品、違う作曲家で聞きくらべ、見くらべ、歌いくらべ?!… じっくりしてみると面白いでしょうね〜